this page is...novel爽やかに晴れた週末の午後。
風はまだ少し冷たいけれど、うららかな春のひざしは眩しいほど。
色素の薄い目を濃いサングラスで庇って、若頭は無表情に機嫌よく、従弟が待つであろう自宅へ帰り着いた。
なぜ、従弟が在宅していると思われるのか。
それはひとえに、週末だから。
『だって、薄給の公務員だもん。金は無ぇけど休みは有る!・・・ハズだろ!?』
と、あまりの多忙さに辺り構わず意味もなくケンカを売りつける従弟の姿が目に浮かぶ。
貧乏ヒマ無し、とはよく言ったもので。
平日は規則的にガッツリ拘束され、残業のない日は稀。その上休日でも深夜でも、遺体が出れば警察からの
そしてその代価は、あまり労働量に見合っているようには思えない。
そしてそう思ったのは征士だけではなかったらしく。
過保護かつ心配性の保護者たち(祖父と征士の父)からそれぞれ、『自由に使え』とクレジットカードの家族カードを持たされているのは、伊達家の社会人の中では彼だけだ。
『・・・・なに、このトクベツ扱いは・・・?』
嬉しく無さそうに呟いた従弟に、征士の姉である弥生は美しい顔ににっこり笑顔を浮かべて冷たく告げたものだ。
『財布の中身が481円なんて哀れなのは、ウチの人間の中であなただけだからよv』と。
確かに、家族皆で覗いたその時の彼の財布の中には、福沢サマどころか夏目サマの一人もいらっしゃらず。
情けない顔で不貞腐れる当麻を宥めたのは、笑いを堪えた征士の父の『仕舞っておきなさい』という言葉だけ。
ちなみに、祖父は誰憚ることなく爆笑し、孫を拗ねさせていた。
『さすがに俺だって、そろそろ銀行行かなきゃとは思ってましたぁ〜』
ブーたれ口調でタイミングが悪かっただけだと主張した当麻の言い分に納得した家人は一人も居らず。
481円の小銭のインパクトはかなり強烈で。
以来、彼にはしっかりと“ボンビー”のイメージが定着したというワケ。
そのせいとばかりは言い切れないのだが、征士は一緒に出掛ける度に(デート気分で)全て出資する。
当麻も(身の程を弁えて)素直に奢られているのだが、そうかと思うと一方では株で儲けたなどと言って、『お前使わねぇ?俺、使う時間が無ぇんだよな・・・』と、2・300万ほど横流ししてくれたりもする。
ヘタをすると出資した分以上に戻ってきているのではないかと危ぶまれる程だ。
ファッションセンスだけでなく、言動等どう考え合わせても、とてもカタギらしくない従弟。
だが、如何にそうは見えなかろうと、間違いなく彼は公務員なのだった。
なので、週末は自宅に居るはず。
だったのだが。
征士の期待は見事に裏切られることになる・・・・・。
「すみません、若・・・。お引止めはしたんですが・・・・・
奥様と五月さんが買い物のお供にと・・・。嬢は運転手、哲が荷物持ちとして連れて行かれました」
お爺さんは芝刈りに、お婆さんは洗濯に・・・。いやいや。
拉致された、とか連行されたとか。正直に表現するならそう言いたいのだろうが、言いにくそうに必死で掻き集めた差障りの無い言葉を綴る部下の肩を、征士は落胆を苦笑に摩り替えてポンと叩いた。
「気にするな。母には誰も勝てん・・・」
父でさえもムリだ、とは言わぬが花。
伊達家の女性陣が強いのは、もう常識である。
その上当麻はかなりのフェミニストだ。というか、偶に冷たそうなことを言いはしても、基本的に女の子が好きなのだろう。
そして、その中でも家族にはとことん甘い。
6つも年下の従妹に『とんちゃん』などと呼ばれ、対等(以上)に生意気な事を言われても機嫌よく笑っているのだから、間違いない。
組の若い衆相手では到底考えられない気の長さ。
あまりに分かり易すぎる従弟を脳裏に描いてため息交じり、征士は自分の革張りの椅子にドサリと座って背もたれに体重を預けた。
母の我が侭に付き合わされた───にしても、だ。
『お昼は何か美味しいものでも食べて来ましょうv』
とでも言われて二つ返事でついて行ったのではなかろうか。
当麻のことだ。どうせそんなところだろう。
と、あまりに具体的かつ的確な展開を思い浮かべ、征士はムッと眉間に皺を刻む。
・・・・・面白くない。
眇めた目を天井近くへ上げたとたん、合いの手のようにギギッと椅子が軋んだ音を立てる。
何だろう、この気持ちは・・・。
従弟に落ち度が有る訳ではないのは、征士にも分かっている。
分かっていながら尚も湧き上がる、理不尽な腹立ち。
その沸々と湧き上がる、それでいて粘度の高い怒りを堪えるべきか流されるべきかほんの一瞬悩みはしたが結局素直に流されることにして、征士は目を据わらせたまま取り出した携帯電話の小さなボタンを組んだ膝の上で押し始めた。
さて、その頃。
従兄が想像したとおりの顛末でアンティパストから始まるイタ飯のコースにありついた当麻は、満面の笑みでデザートが運ばれてくるのを待っていた。
午前中いっぱいショッピングに勤しんでも全く疲れを見せない活動的な女性二人をエスコートする立場を考慮したのかどうなのか、本日のお召し物はいつもに比べてマシ(地味)である。
スタンドカラーと裾、袖にそれぞれ付けられたベルトがハードな印象の、キャメル色をしたジャケットコートを入り口で預けてしまうと、後は黒の革パンに黒のカットソー。細身の体に良く似合っている。
が。
細い指にはゴツいシルバーリング。片耳にはトルコ石の嵌った発信機付ピアス(今日は大人しく着けて来た)。
休日仕様で、少し弄って動きを持たせた蒼い頭と合わさると、地味なはずの格好がなぜこんなに独特の雰囲気を醸し出すのか・・・・と、お嬢付きの舎弟・哲は改めて基本的な疑問に立ち返ってチロッと隣へ視線を流した。
「なに?」
「・・・ぃや、何でもないっス・・・・」
「心配すんな。食えなきゃ俺、食ってやるからv」
勝手に舎弟の流し目の意味を解釈して、当麻は「デザートデザート♪」と上機嫌である。
女性陣と同じテンションで甘味のお出ましを待てる、貴重な人物だ。
「あ、来たわよっ!」
「わーいvv」
「あらぁ、いぃじゃな〜い?」
家族と家族同然の舎弟しかいない気安さからオーダーしたドルチェの盛り合わせだったが、運ばれてきた大皿の上の華やかさに、約1名を除いて大いに盛り上がる。
完全に取り残された感の哲は自分以外のメンバーの血の繋がりをしみじみと思い。
それでも自分が食べられそうな、あっさり系のデザートを物色して恐々と身をのり出した。
ケーキ、ムース、シャーベット。
ベリーにオレンジ、チーズ、抹茶、チョコレート。
大皿の上の色とりどりなそれらが、彼女らの血の何に作用するのか・・・。
「いやーん、私、どれにしよう!?」
「どれって、さっちゃん。やっぱ全部味見しようよ」
「そうね。みんなで少しずつ頂きましょう」
「はーいっ」×2
まだしばらくは、静まりそうにも無い。
(・・・もう俺、コーヒーだけで充分・・・・)
などと哲が一人、一歩も二歩も引いてジノリのカップに口をつけた時。
「ねぇ、このケーキ、似てないかしら?」
何に、とは敢えて言わない和服美女のお言葉は、意味ありげなトーンである。
何だ何だ? 何の話だ?
訳が分からず、微妙な空気が流れる。
「懐かしいわぁ。思い出さない?ねぇ、当麻」
伯母から水を向けられた本人だけには彼女の意図が見えているらしい。
当麻は少し目を伏せて、静かに笑って頷いている。
哲はエスプレッソのカップを持ったまま、頭の上にクエスチョンマークを浮かべただけだったが、五月の方は訊かずにいられなかったようだ。
「なに?何に似てるのよっ」
母親と従兄を均等に見やっては訳を急かした。
「んーと・・・・アイスケーキでさ、ヴィエ○ッタってゆーのがあんの、知ってる?」
「あぁ、食べたことはないけど・・・。うん、似てるわね、確かに」
確かエス○モーあたりから出ていたはずだ、と哲も話題のブツを思い出してみる。
チョコレートスポンジケーキとアイスクリームが層になって積み重なった一番上は厚めの波型にアイスクリームの層があり、ココアパウダーまでトッピングされた半端な長さの直方体のブツは、未試食なので味は知らないが格好だけは一丁前に凝々しく、言われてみれば目の前のプチケーキと印象はダブるような気もする。
「・・・・で?」
そのアイスケーキがどうしたのかと歯切れの悪い従兄をせっつく五月に、そこからは母親が引き継いで口を開いた。
「・・・あの時貴方、4つだったかしら・・・?」
「・・・そぅだっけ?夏だったのは覚えてんだけど・・・」
「そうそう、暑かったわ。5つになる前の夏よ」
・・・・どうしても親切な説明にはなりそうにないが、五月は妥協して黙って聞く事にしたようだった。
とても天気のいい、暑い夏の午後だった。
とてもじゃないが澄まして着物など来ていられず、伊達組の姐さんは珍しく洋装で出かけようとしていた。
長女の下校時間にはまだ少し早い時刻。
6月で5つになったばかりの長男は、まだ4つの従弟を観客に敷地内の剣道場で竹刀を振っているはずだ。
本当はもう少し涼しくなってから出かけたいところだが、そうもいかない。今のうちに食材の買出しを済ませましょう、と母屋の玄関を出かけたところで、たたた・・・という如何にも重量のなさそうな足音が聞こえてきた。
息子同然の、甥である。
「あら、お帰りなさいv」
「ただいまぁ。もー・・・、暑くってウンザリだよぉ・・・」
相変わらず大人顔負けの言い回しが笑いを誘う、彼は4歳児。
途方に暮れたような小さな顔は、湯あたりでもしたように上気していた。
「ほんと。嫌んなるわねぇ」
同意しながらしゃがみ込んで、汗ばんだ額にぺったりと張り付いた前髪を掻き揚げてやる。
「征士は暑さに強いんだね。まだ竹刀振ってんだよ?付き合いきれないから、放っといて来た」
ぶぅっと唇を尖らせる様がひたすら愛らしい。
「そうねぇ、当麻は平熱が低いから、早めに引き上げて正解よ。お部屋の中で涼んでなさい」
勢い4歳児相手とは思えない受け答えを口にして、火照った柔らかい頬に手を添える。少しでも火照りを冷ましてやりたくて、指の甲を当ててみた。
「ママさん、出かけるの?」
大人しくされるがままの当麻は目敏く伯母の様子を悟ってちょっと首を傾げる。
「そうなのよ。買い物に行かなきゃいけないの。貴方も一緒に連れてってもいいんだけど」
大きな蒼い瞳が少し心細そうに見えてちょっと迷ったが、思い直して宥めるような笑顔を向けた。
「やっぱり貴方はしばらく休んでた方がいいわ」
「んー、そうするー」
この小さな甥は、ある意味本当に子供らしくない。
今この瞬間も、伯母の心配を正確に察して留守番を承諾したのだ。あからさまに言葉にした訳ではないのに。
いつもそうだ。聞き分けの無い我を張る事がない。
それは頭の良さ故なのか、他の理由からか。
姐さんはちょっと涙ぐみそうになって、慌てて言い添えた。
「そうだ。冷蔵庫にアイスケーキがあるの」
瞬間、当麻の目がきらっと光る。
「弥生はまだ帰って来ないし、先におやつにすればいいわ。当麻と征士と弥生で分ければいいから・・・」
「オレのは3分の1だねっ!」
おやつ大好き4歳児はやっと年相応の嬉しそうな表情で、極めて自然に分数を口にした。
(参るわねぇ・・・)
三つ年上の弥生でもまだ分数は理解していないだろうと半ば感心し半ば呆れながら苦笑して、「そぅよ、食べてらっしゃい」と小さな背中を押してやる。
「じゃ、留守番お願いね」
「うん。いってらっしゃーい!」
気持ちだけでなく足まで半ば冷蔵庫へ向かいかけたチビに気安く留守を任せて、姐さんは表に待たせた車へ急いだのだった。
「お待たせ、祥子ちゃん」
・・・・とまぁ、これだけなら、20年以上も経た食事の席で改めて話題に上るほどのことではない。
その事件は、この後発覚する。
その日の夕方、小学校から戻った弥生はワクワクと小さな胸を躍らせながら冷凍庫からアイスケーキを取り出した。
ケーキを取り分ける皿もフォークも用意した。
ダイニングテーブルの向かいでは弟も待っている。
さ、食べるゾっと意気込んで箱を開けて────
絶句した。
息をすることさえ忘れていたかもしれない。
「・・・・な、なにコレ・・・?」
いや、分からない訳ではない。
理解はできるのだが、納得したくなかったのだ。
箱の中から出てきたケーキ(?)は、見事に上部が3分の1無くなっていた。
それは、ただの冷たい、背の低いカステラケーキ(チョコレート風味)と化していたのだった。
「ちょっと!ママーッ、来てよ!!」
娘の大声に呼ばれた姐さんは、そのブツを前に、とっさに口を覆った。
そうしないと、“アイスケーキ”を食べ損なった娘達に遠慮も無く爆笑しそうだったからだ。
が。
「く・・・・・食われた・・・・・」
力なく呟かれた息子の言葉に、耐え切れず噴き出してしまう。
その後はもう、皆怒るどころではなく。
「確かに3分の1だわよ、確かに!」
後から後から湧いてくる可笑しさに、酸欠で苦しみながら3人で笑い転げた。
『へへ・・、3分の1だもんねーv』と言いながらニタニタにこにこ、ケーキの一番美味しそうな上層部3分の1をはむはむ食べている悪戯小僧を想像するなど、あまりにも簡単で。
結局、弥生を含めて誰も当麻を叱れなかった。
「やってくれたわねー!」と、感心しているのか褒めているのか分からないセリフと共に蒼い頭を掻き混ぜるのがせいぜい。
そうして伸び伸び育った元悪戯小僧は、「たぶん怒られないとは思ってやったんだよねぇ」と、罪の無い顔で笑いながら計算高いことを言う。
「ヤルわね、とんちゃん・・・・」
末っ子なのでそれなりにヤッて来た五月は、惚れ惚れと感心している。
哲は哲で、あまりに当麻らしいエピソードに、消化が心配なほど笑いの発作に襲われている。
「ホンっトに貴方は頭良かったわよ・・・」
改めて感心しておいて和服美女はちょっと首を傾げ、何のポーズなのかその頬に白い手を添えた。
「それに引き換え、征士の方は・・・」
「なに心配してんの。奴は口数が少ないだけだよ。分数くらい征士だって分かってたってー」
「それはどうかしら・・・?」
軽〜くフォローする甥の言葉を信用せず、「私と綾子はそう変わらない筈なんだから、やっぱり種が悪かったんだわ」などと実も蓋も無いことを呟く。
果たして4つの時分に己が分数を理解していたかと振り返って、五月は賢明にも口は開かなかった。
「あ、」
ふいに呟いて、当麻はごそごそと身じろぐと携帯を取り出した。ピピっといかにも手馴れた様子でボタンを操作して画面を確認してから、上目遣いに伯母を見やってにっと笑う。
「噂をすれば、だよ」
「あら」
「え?お兄ちゃんから?・・・しかも、メール!?」
なにかタイミング以外の事に驚いている五月に、当麻は視線だけで『なんで?』と訊く。
「だって、私がメール送ってもだいたい返事来ないし。来たって短い電話だけだし」
日頃の不満を言い募る感じの五月に、舎弟が苦笑しながら上司を庇う(?)。
「あぁー・・・、若、メール苦手なんですよ」
そう言われてもイマイチ納得し切れない従妹に、当麻は凄い速さでメールの返信を打ちながら言い添える。
「ボタンがさ、小さいらしいよ。奴の手には。まぁ、押し難いわなぁ、そりゃ」
手早く返事を送信してしまってから、当麻は自分の手を開いてまじまじと眺める。従兄の手を思い出しているのだろう。
「あいつの手、デカイもんなー・・・」
隣の舎弟の手も開かせて、これよりデカイなどと評している。
だからメール無精(?)は許してやってv ということらしい。
見る?と差し出された当麻の携帯電話を遠慮なく受け取って、五月は初めて目にする兄が打ったメールというものを見るべく、興味津々で液晶画面に見入ったのだった。
「待って。ナニコレ?」
ホントにメール?
五月は疑問を共有すべく、隣の母親に訴えるような表情で携帯を見せる。
果たして、その画面表示は。
差出人:征士
subject: なし
本文: ??
「なんなの、この暗号は・・・・?」
和服美女の簡潔な問いには、当麻の明瞭な回答が返る。
「 where & what ───どこでナニしてんの?ってこと」
「・・・・・・・・」
要、翻訳。
五月は呆れて無言のまま、兄の問い『??』へ返した当麻の送信メールを表示した。
『今、本町のEST!EST!でメシ食ってる。ママさんとさっちゃんと哲と一緒。ウマイよ。 もう少し買い物してから帰るけど、何か買ってくモノ有る?』
あの短時間によくこれだけの文章を・・・という立派な文字数。
女子高生も真っ青なスキルだ。
感心するやら呆れるやら。
しばし言葉もない五月の手の中で、その時ブルル・・・と携帯が震えた。
「あ、征士からだよ。メール開けてみて」
従兄に促されて、受信メールを開き───
またもや言葉に詰まって、五月は情けなく眉尻をさげた。
となりから覗き込んだ母親もまた、頭痛でも感じたようにこめかみを押える。
「とんちゃん、今度のコレは何なのよ・・・?」
ただの空メールじゃないの!!
と携帯を突き返されて、当麻はあぁ、と簡単に頷いた。
「俺がなんか買ってくかって訊いたから、何も要らないっていう返事でしょ」
一見嫌がらせのような素っ気ない空メールに気を悪くするでもなく、ひょうひょうと答える。
あまりに違う二人の、このツーカーぶり。
哲には見慣れた現象だったが、女性陣には見慣れない、不思議な現象だったらしい。
「甘えてるわね・・・あの子」
従弟だけに通じる暗号メールを発する息子を母親はそう評し。
「男って、結構、こうなのよね」
自分たちだけで分かり合っちゃってさっ。
五月は拗ねたように唇を尖らせた。
「まぁまぁ、さっちゃん。怒んない怒んない」
どぅどぅ、と馬でも宥めるように従妹を宥めて、当麻は人畜無害な笑顔で紅茶のポットを手に取った。
「ま、飲みなさい」
ご機嫌取りに酒でも注ぐように五月のカップに紅茶を注ぐ。そして、伯母のカップにも。
人のカップにお茶を注ぐなどという、普段、自分たちの前では絶対にしない事を嫌にスマートにこなす当麻を、舎弟だけが不思議そうに見守っていた。
似合わなくも、ないんだよなぁ・・・・・。
『??』というシンプルなメール。
送り主が本当は『 !? !? 』と
できれば青筋マークまでも表記したい気分だったということは、誰も分かっていなかった。
・・・・可哀相な、若頭・・・・・。