this page is...novelぼくはエリー。名前は当麻がつけてくれたんだよ。自分で言うのもナンだけど、結構かわいいって言われる。てへ。
おうちは国立っていうところにあって、当麻とぼくと征士の3人で住んでるんだ。征士は毎日ひとりでお仕事に行くの。ぼくはいっつも当麻と一緒。だって、すきなんだもん。
でもね、この前、征士がぼくを抱き上げて、お隣のプリンちゃん(ビーグル犬)みたいにくんくんしてから言ったんだ。『エリー、当麻のコロンの匂いがするぞ』って。『匂いが移る程べったりひっついてなくていいだろう』だって。ふふふ・・・。征士、ぼくのことウラヤマシイみたい。征士も当麻がすきなんだね。
朝はやっぱりお庭のパトロールから。ん、今日も変わりなし。
リビングに行ったら征士がいた。新聞読んでたみたいだけど、すぐぼくに気づいてくれた。目が笑ってる。
「おかえり。異常なしか?」
おぅ!だいじょうぶだった。
それはそうと、征士ぃ、おなかへった。ごはんごはんっ。ごはんちょーだーい。
ぼくは当麻がだいすきで、いつもぺったり一緒にいたいんだけど、朝はぜんぜん起きてくれないから朝ごはんは征士におねだりするんだ。
ちょーだーい。ごろごろごろ・・・。
征士は『わかったわかった』ってふうにぼくを撫でて立ち上がった。
へへ。ごはーん。
お昼ちかくになって、やっと当麻が起きてきた。わーい。
征士は今日はお仕事行かないみたいだけど、ちょうどお庭にでてていないから、今ならぼくが先に《おはよーのちゅう》できるっ。
当麻はちょっとあぶなっかしい足どりでリビングに入ってきて、ソファにくたっと座った。シャワーを浴びて2階から降りてきたらしいけど、まだまだ眠そう。当麻、起きたばっかりだと機嫌わるいんだもん・・・。ぼくはちょっと様子をうかがう。
ああ・・・ずるずると・・・ソファの上に寝ころんじゃった・・・。バスローブの胸元がはだけて、ちょっと色っぽい。
当麻・・・?ねぇねぇ起きないの?ねぇねぇ。
あ、片目だけ開いた。おはよう!ちゅーしよぅ。
「エリー・・・・おやすみ・・・」
なぁんで?なんでおやすみなの!朝だよ。起きてよ。いやーん。
クスッて笑ってくれたけど、やっぱり起きない。
むー・・・。
ほらぁ、征士が戻ってきちゃったじゃないかぁ。
「ん?やっと起きてきたか」
でも寝てるんだよ。
みてみて!と、当麻が寝ちゃってるソファの前を征士にゆずってあげた。
「おはよう。調子は?」
征士が、当麻の顔にかかった前髪をかきあげてあげながら声をかけたら。
なぁんで征士には両目開けるの?
しかも「へーき。おはよ」って返事までしてる。
ぼくの時とだいぶ違うんですけどー。
あー・・・《おはよーのちゅう》も先に・・・。
んにゃー!!もー、すねてやる。
二人に背中を向けて寝ころんで、それでも『もしもし?』って、しっぽで征士にパタパタしてたら、やっと当麻の前の場所をゆずってくれる気になったみたい。
「紅茶いれるか」
「ん、飲む飲む。ミルクいれて」
自分が立つついでに、征士は寝てた当麻を『よいしょ』ってソファに起き上がらせる。
あらら・・・。当麻のバスローブの裾がはだけて、すべすべの足がかなり上のほうまで・・・。
見ぃちゃった、見ぃちゃった。
でも、直ぐに征士が直したってことは、征士も『見ぃちゃった』んだよねぇ・・・。
ぼくにするのとあんまり変わらない様子でくしゃっと当麻の頭を撫でて、征士がキッチンへ行く
それを当麻がぽけーっと目で追って・・・ふらぁっと、立ち上がる素振りを見せた。
ぴくっ。
ぼくは緊張して座りなおす。ソファの当麻をじーっと見て。
ちょっと。ぼくのこと、忘れてない?
むー・・・。
当麻の顔がこっちへ向きかけて、視線だけが先にぼくを見た。流し目ってやつ?
ニヤッとわらう。
とうま・・・。当麻の顔はきれいだけど、そーゆー顔は凶悪だよ。
でもすき。だいすき。
よかった。忘れられてなくて。
「おいで」
伸びてきた手に飛びつくと、ぶらーんと持ち上げられて。
当麻のだっこ。
浮き上がってる鎖骨のあたりにすりすりする。
『おはよ』と『だいすき』って、伸び上がってほっぺにちゅう。
日当たりのいいリビングでブランチ。ぼくは当麻の膝の上でお昼寝。
当麻は征士が作ったサンドイッチを片手に幸せそう。
ぼくも幸せ。にひゃ。
「うわっ、かわいい。見てこれ」
じゅうたんの上に直に座り込んでいる当麻が、新聞に入ってた広告を向かいのソファの征士に見せる。
どうやらペットショップの広告らしい。ぼくも気になってのぞいてみた。
確かにね。いろんな仔猫や仔犬がいて、そりゃーかわいいやね。
ぼくの複雑な心境を知ってか知らずか、当麻はかわいいかわいいとレンパツしてくれる。
あうあう。
向けられた広告をじっくり検分してから、征士は余裕たっぷりに笑ってノタマッタ。
「ウチの子の方がかわいい」
だー・・・・・・・。
思わず涙ぐみそうになっちゃった。
当麻はくすくす笑ってる。確信犯だな?
「よかったな。お前のがかわいいって」
しかも《ウチの子》だって・・・・言ったよね、征士。
征士はぼくのライバルだけど、やっぱりすき。征士もすき。
だいすき。
fin.
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